内視鏡で食道・胃・十二指腸の粘膜を観察し、病変の有無を調べる検査です。
癌・潰瘍・逆流性食道炎・ピロリ菌による萎縮性胃炎など、消化管の主な病気を早期発見するのに役立ちます。
検査中に病変を発見した場合は、生検(組織を採取して調べる)をおこなったり、その場でピロリ菌の有無を調べることもできます。
当院の検査方法
➀鼻からカメラを挿入する経鼻胃カメラ検査
②通常の胃カメラ検査
③麻酔下の鎮静胃カメラ検査(説明・同意書が必要になるため、前日までに診察が必要となります)
の3種類の中から選択していただき検査を行います。
検査は5~6分で終了しますので、あまり悩まずに1度は検査を受けることをお勧めします。
このような症状がある時に胃カメラをおすすめします
✓胸やけ、酸っぱいものがこみあげてくる
✓のどのつまり感、痛み
✓げっぷが多い
✓胸のつかえ感
✓みぞおちの痛み、不快感、もたれ
✓貧血
✓ピロリ菌の有無を調べたい方
✓体重減少
✓便が黒っぽい
ヘリコバクターピロリ菌とは
ヘリコバクターピロリ菌は幼児期に家族感染や自然界からの感染で長年に渡り胃の中で慢性的に炎症を起こしそれが原因となって潰瘍やガンを引き起こします。
胃がん罹患のほぼ99%がこのピロリ感染者から発生していると思われ、感染者のうちおよそ3割程度は無症状のことが多く異常が無くても1度は胃カメラ検査を受けるべきと思われます。
また、その意味でもピロリ菌は人体には不要なもので、出来れば早く除菌することが勧められています。
当院においては、胃カメラ検査→ピロリ菌感染の疑い(慢性胃炎)→抗原検査→ピロリ菌陽性であれば、速やかな除菌(胃薬+抗生剤2種を1週間)をお勧めしています。
およそ2か月後の除菌判定までが流れとなり、保険適応されます。
また、除菌不成功となれば異なる薬での2回目の除菌までが保険で適応されます。
胃カメラ時の筋肉注射不要のメントール製剤
胃はぜん動と言われる動きを繰り返しています。
その状態では詳しい観察が難しいため、これまで筋肉注射での鎮痙剤を使用しての検査が一般的でした。
薬剤の副作用や筋肉注射の痛みを考慮して、当院ではメントール製剤を内視鏡の中から直接胃内に散布しています。
他の病気の方も安心してご使用いただけます。
大腸にできるポリープは大腸がんの原因になると言われています。
したがって、腹痛や血便、腸閉塞などの症状が出てから対処するのではなく、ある一定の年齢になったら大腸検査を一度は受けましょう。
大腸検査を受けてポリープを早いうちに切除することでガンを予防する考えが成り立ちます。
当院では通常のカメラ検査と麻酔薬による鎮静下で行うことが選択できます。
鎮静下で行った場合は1~2時間院内で安静にしてからご帰宅頂きます。
当日は自己運転できませんので付き添いの方が必要となります。
ポリープ切除術を行った場合は最短1日の入院し、翌日のお昼に帰宅していただきます。
炭酸ガス送気装置導入
従来の大腸内視鏡検査では、空気を使用していましたが、 検査後に大腸内に充満した空気の影響で、"おなかの張り"や"痛み"を伴うことが多くありました。
当院では空気の代わりに炭酸ガスを注入する『炭酸ガス送気装置』を使用しています。
炭酸ガスは、空気に比べて腸管内で速やかに吸収される特性(空気のおよそ200倍)があります。
腸内に長時間空気が残らないために、お腹の張りや痛みが少なく検査後の苦痛を大幅に軽減することが可能になりました。
コールド・ポリペクトミー
通常のポリープ切除術は、スネアという特殊なワイヤーでポリープの根元を絞めて高周波電流を流して切除しますが、当院ではコールド・ポリペクトミーという、高周波電流のような熱を加えずに切除する方法を導入しています。
以前までは、5mm未満の微小ポリープは切除せずに経過観察すべきとの考えもありましたが、放置した病変(良性腫瘍)は増大する可能性やがん化の可能性があるため、問題の先送りであるともいわれておりました。コールド・ポリペクトミーであれば、微小なポリープも患者様の負担なく切除することが可能なため、ポリープを残すことによる病変増大・がん化の不安も軽減されます。
ハイレベルな内視鏡洗浄装置
内視鏡検査による交叉感染を防止するためにオリンパス社製の内視鏡専用自動洗浄消毒装置を導入しています。
日本消化器内視鏡技師会のガイドラインに則って、洗浄消毒装置を使用し、内視鏡の洗浄・消毒作業を行っています。
また、日々使用される内視鏡を適切に洗浄・消毒するため、消毒剤の濃度管理や洗浄・消毒履歴の記録、装置の定期的な点検などが行われています。